
インプラントは「最善の治療」ですが、「ご自身の歯以上」ではありません
歯を失ってしまったとき、その回復方法としてインプラント治療は、現在考えられる中で非常に優れた選択肢です。
しっかり噛める、見た目が自然、周囲の歯を削らない――こうした多くのメリットがあり、「第二の永久歯」と表現されることもあります。
しかし私たちは、患者さまに一つだけ、どうしてもお伝えしたいことがあります。
それは、インプラントはどれほど進歩しても、「ご自身の歯と同じもの」でも、「ご自身の歯以上のもの」でもない、ということです。
天然の歯には、歯根膜というクッションの役割を果たす組織があり、噛む力を微妙に調整したり、違和感を察知したりする働きがあります。
一方、インプラントは骨と直接結合する構造のため、こうした感覚の面では天然歯と全く同じとは言えません。
また、インプラントはむし歯にはなりませんが、インプラント周囲炎という特有の病気が起こる可能性があります。
適切なメインテナンスを怠ると、せっかく入れたインプラントを失ってしまうこともあります。
ご自身の歯を残すことを最優先に
だからこそ当院では、
「インプラントができるかどうか」よりも先に、「その歯を残せるかどうか」を最優先に考えています。
レントゲンやCT、歯ぐきや骨の状態、噛み合わせ、生活習慣などを丁寧に調べ、
少しでも保存できる可能性がある歯であれば、できる限り残す方向で治療を検討します。
もちろん、歯を残すことでかえって将来的な負担が大きくなる場合や、痛みや炎症を繰り返す場合には、抜歯とインプラントが最善の選択となることもあります。
その際は、なぜ残せないのか、なぜインプラントが適しているのかを、分かりやすくご説明した上で治療を進めます。
私たちが目指しているのは、
「今だけ」ではなく、「10年後、20年後も後悔しない治療」です。
インプラントは、失ってしまった歯を補うための非常に優れた治療法です。
しかし同時に、守れる歯を守ることこそが、最も価値のある治療だと考えています。
「本当に抜かなければいけないのか」
「残せる可能性はないのか」
そうした疑問や不安があれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。
患者さま一人ひとりにとって、最も納得でき、最も長く安心できる選択を、一緒に考えていきたいと考えています。



